The Road not Taken、アメリカ人にもっと愛されている詩だそうだ。昨年末に朝日新聞の折々のことばで紹介されいたので、その切り抜きを探していたら、財布の中から出てきた。
小生のアンビエントの初期アルバムにも僭越ながらこのタイトルを拝借した。先日、外国のかたが5年近く前に出したこのデジタルアルバムを購入してくれたので、詩のことを思い出した。
The road not taken
Two roads diverged in a yellow wood,
And sorry I could not travel both
And be one traveler, long I stood
And looked down one as far as I could
To where it bent in the undergrowth;
Then took the other, as just as fair,
And having perhaps the better claim,
Because it was grassy and wanted wear;
Though as for that the passing there
Had worn them really about the same,
And both that morning equally lay
In leaves no step had trodden black.
Oh, I kept the first for another day!
Yet knowing how way leads on to way,
I shall be telling this with a sigh
Somewhere ages and ages hence:
Two roads diverged in a wood, and I took the one less traveled by,
And that has made all the difference.
<和訳>
「歩む者のない道」
黄色い森の中で道が二つに分かれていた
残念だが両方の道を進むわけにはいかない
一人で旅する私は、長い間そこにたたずみ
一方の道の先を見透かそうとした
その先は折れ、草むらの中に消えている
それから、もう一方の道を歩み始めた
一見同じようだがこちらの方がよさそうだ
なぜならこちらは草ぼうぼうで
誰かが通るのを待っていたから
本当は二つとも同じようなものだったけれど
あの朝、二つの道は同じように見えた
枯葉の上には足跡一つ見えなかった
あっちの道はまたの機会にしよう!
でも、道が先へ先へとつながることを知る私は
再び同じ道に戻ってくることはないだろうと思っていた
いま深いためいきとともに私はこれを告げる
ずっとずっと昔 森の中で道が二つに分かれていた。
そして私は… そして私は人があまり通っていない道を選んだ
そのためにどんなに大きな違いができたことか
(川本皎嗣訳)
この歳になってみれば、選択しなかった道のことに、今更、思いを巡らせることはあまりないが、ときどき、おかしな夢を見ることはある。不思議なことだ。